うつ病の人と接するときには常に言葉を選びましょう。言ってはいけない言葉があるので詳しく説明します。
・NGワード1:頑張れ
うつ病にかかると、気持ちが沈んで辛い状態が続いてしまい、楽しさを感じられなくなります。
そして集中力・記憶力が低くなり、さらには自殺衝動を引き起こしてしまうのです。
うつ病の患者に、励ましの言葉を投げかけるのは、余計につらい気分にさせるだけ。
親切で「頑張れ」と言ったとしても、結果的には追い詰めてしまうのです。うつ病は、頑張ろうとしても頑張れなくなる病気なので、逆効果といえます。
「頑張れ」の他にもNGワードはいくつかあります。
「元気を出して」「笑顔を見せて」など。
患者には励ましの言葉を用いないほうが無難です。
・NGワード2:気持ちの持ちよう
うつ病に対しては誤解がまかり通っています。
今でも心が弱い方がよくかかる病気と誤解されがち。でも、違うのです。
心の弱さや、怠け心が原因の病気ではありません、
脳内にある神経間で情報伝達がスムーズに働かず、具合が悪くなる病気なのです。
ですからうつ病の患者に、「気持ちの持ちよう」と発してはいけません。
「気持ちの持ちよう」は、無責任で軽々しい発言といえます。
「どうしたの?」「たいしたことではない」なども同様の意味でNGワード。
患者は何でもネガティブに捉えがちなです。よく注意して言葉を選びましょう。
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・NGワード3:あなたのため
患者に見られる傾向のひとつに、欲求の低下があります。
食べ物や楽しいことに対して興味や関心が持てなくなるのです。
欲求の低下が進んでいる状態なので「あなたのために××してあげたのに」と言うことは無駄。
このような押しつけがましい言葉を投げかけると、反発を買うだけ。
「あなたのため」はNGワードです。
症状軽減のためにも、注意してください。
・否定はせず話を聞いてあげる!全てに賛同はしなくてよし
患者と言葉を交わすときには、共感する気持ちを持って話を聞いてあげましょう。
患者が話す内容に対して、いろいろ疑問に感じることもあると思います。
しかし、否定をせず、途中で遮らないように。
悩み抜いた末に話かけている可能性があるからです。
話をしてきたことに対しては、ポジティブに評価しましょう。
だからといって話のすべてに賛同する必要はありません。
話を聞いたうえで、アドバイスや意見を述べることが大事なのです。
・言葉よりもむしろ触れ合うといい?
うつ病になりやすいのは、感情の調節が不得意なタイプとも言われています。
人は落ち込んだとき、気持ちを入れ替えて自分を冷静に見つめ直すとか、休息の時間を設けるなどして感情の調節をするもの。ところが、患者はこの調節を上手にはできません。
そこで考えなくてはいけないのが、そのようなタイプのうつ病の患者との接し方。
言葉による対話も必要ですが、患者との触れ合いに重点を置いてください。
感情の調節とって触れ合いはとても大切なのです。
患者と接したときの顔の表情、声のトーン、投げかけるまなざしなどが注意しなくてはいけない重要ポイント。
人との触れ合いが、患者の感情の調節にいい影響を及ぼし、症状軽減に大いに役立つのです。
身の回りにいる人がうつ病を発症したら、少しでも早い回復を誰もが願うもの。
ただ、その気持ちを患者に伝えることは難しいという現実があります。
患者だけではなく、あらゆる立場の人にとって理解しづらい病気なのです。
ですから、正しい認識を持ちましょう。
患者に言葉を一方的に押しつけず、最適なサポートを心掛けてください。
症状軽減のために、まずできることは言葉に気をつけること。
以上で挙げたNGワードを使わないようにしていきましょう。