食事でうつ病を予防したり改善できるのだとしたら、その食材を摂りたいと思いますよね。
どんなものが予防として効果が高いと言われているのでしょう。
効果があるといわれている食材と摂取方法の注意点をご紹介します。
・うつ病と食事にはどんな関係があるの?
うつ病は脳の神経伝達物質、セロトニンが不足することで発症するといわれているものです。
自律神経を正常にするためにも必要なセロトニン。幸せホルモンともいわれていますが、セロトニンはきっかけがないと体の中で作ることはできません。
太陽の光を目にして脳内で作られるほか、食事の中に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンは作られます。
最初は薬物療法や心理療法が一般的な治療法でしたが、現在は食事から摂取することで改善に繋がることが発見されはじめています。
最近では地中海式の食事が注目されており、この食事をしているとうつ病になるリスクが減るという研究結果も出ています。
それは地中海式の食事が、脳・体・心に前向きな結果を出すというたくさんの報告があったからです。
地中海式の食事とは、ピラミッドに食材を分類し下は多く摂り、上に行くに従って少なく摂った方がいいとされているものです。
- 下(毎日でも食べた方がいいもの)
野菜・果物・乳製品・全粒穀物・オリーブオイル
- 中間(週で食べた方がいいもの)
鶏肉・魚・豆類・ジャガイモ・ナッツ・卵・お菓子類
- 上(月ごとに食べた方がいいもの)
牛肉・豚肉
特にオリーブオイルは地中海式の食事にはかかせないもの。野菜中心の食事は、体や心にいい影響の出る微生物が増えます。食事はうつ病にも深い関係があるといえるでしょう。
・鉄分とトリプトファンに注目しよう
注目成分は鉄分とトリプトファンです。
鉄分と聞くと、貧血に効くという想像ができますよね。
鉄分が足りなくなると、疲れを感じたり好きだったものに関心がなくなることも。
集中力も落ちてしまい、焦りやイライラが大きくなってくるという症状がでてきます。
この症状はうつ病に似ています。神経伝達物質を正常に送る機能が影響を受けるからです。
鉄分はとても大切な役割をしているといえるでしょう。
また、トリプトファンは先ほどお話したようにセロトニンを作るために必要な成分です。
セロトニンが足りなくなると、眠れないなどの不眠症を引き起こしたり、気分が落ち込みイライラしたりしてしまうのでうつ病の予防や改善にはとても大切な成分となります。
トリプトファンは食事から摂ることができます。
ただ、トリプトファンがセロトニンになるまでの段階で鉄分が必要になります。
どちらも不足しないようにしたい成分なのです。
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・摂取したほうがいい食材!選び方にもコツがある
鉄分は吸収しやすいヘム鉄と吸収しにくい非ヘム鉄に分類されます。
◎ヘム鉄(吸収しやすい)
魚・肉などの動物性食品
◎非ヘム鉄(吸収しにくい)
穀物・野菜などの植物性食品
ヘム鉄に分類される赤身の肉やレバー、牛乳は鉄分が豊富に含まれています。
非ヘム鉄だといっても食べ方次第で吸収しやすくできます。
その食べ方は、ビタミンCや質のいいタンパク質と同時にとるということです。
◎トリプトファンが多く含まれている食材
味噌・豆腐・納豆・醤油(大豆食品)
牛乳・ヨーグルト・チーズ(乳製品)
玄米・白米(穀類)
魚・肉にもトリプトファンは含まれています。
しかし、動物性たんぱく質に入っているBCAAというアミノ酸が、脳にトリプトファンを取り込みにくくしてしまいます。その動物性たんぱく質は、ビタミンB6と同時に摂取すれば筋肉にBCAAが作用して脳の中でトリプトファンが作られる手助けしてくれます。
組み合わせによって、効果が変わりますが一つの物に特化して食すのではなく、バランスよく食べることが大切です。
・注意点もある
食材についてお話してきましたが、注意点もあります。
トリプトファンは多く摂りすぎてしまうと肝臓に負荷をかけることになってしまいます。
食事だけでは摂りすぎてしまうということはありません。
しかし、サプリメントにトリプトファンが配合されているものを飲んでいるのであれば、摂取しすぎないよう注意が必要です。よく確認をしてみましょう。
また、日々の注意として1日3食なるべく毎日同じ時間に食べましょう。特に朝が大切です。朝食を抜いてしまうと生活が不規則になり体のリズムが崩れてしまいます。
また、食事の際はよく噛んでゆっくりと食べましょう。
腸の環境がよくないと、脳の神経機能に影響があるので乳酸菌を摂取するのも効果的です。
どの食材もバランスよく食べることが大切ですが、あまり考えすぎて疲れてしまわないようにしましょう。楽しく食事をすることが一番です。好きな物だけに集中して食べていたなら、違うものも食べてみようと挑戦してみましょう。
食事とうつ病の関係は深く関わっているようですね。食事で予防することも、改善に導くこともできる可能性が高いのであれば嬉しいことです。
軽い気持ちで取り入れてみましょう。